寺川綾選手インタヴュー記事

YAHOO！ニュースに寺川綾選手のインタビューが掲載されていましたので紹介します。
ソース：YAHOO！ニュース「ロンドン五輪競泳　銅メダリスト・寺川綾、メダル喜べたのはもらった瞬間だけ」

　ロンドン五輪の競泳で、寺川綾（28）＝ミズノ＝は女子100m背泳ぎ、女子メドレーリレーで銅メダルを獲得した。
日本中を沸かせた美人スイマーは五輪後、ファッションモデルなど競技以外でも話題を集めてきたが、11月には「水に戻る」と現役続行を正式表明した。
ようやく手にしたメダルにもそれほど執着心がなかったことなど、意外な素顔に迫った。

　―27歳で臨んだロンドン五輪は、100m背泳ぎ決勝で日本記録を更新し銅メダル。
集大成の大会かとも思われたが、現役続行を決断した。
　「五輪を迎えるにあたって、そこでアスリートとして終止符を打つ考えは自分の中に持っていませんでした。すべてをかけてロンドンに臨んで、それ以降は終わってから考えようと。一番は、自分が泳ぎたいと思った。今はその気持ちを大事にしたいんです」

　―銅メダル2個を手に帰国した後は、プールに入る間もなく取材やテレビ、イベント出演が続いた。
　「いろんなお仕事を経験して、いろんなところで『次も頑張ってね』とか声をかけていただいて、背中を後押しされたというか。もっとスイマーとして、前を向いて頑張っていきたいという気持ちが芽生えた」

　―10月中旬、指導を受ける日本代表・平井伯昌ヘッドコーチに現役続行の意思を伝えた後、11月4日に正式表明した際の「水に戻る」という言葉に覚悟を感じた。
　「忙しくて泳げなかった時期もあったので、最初は泳ぐことがうれしく感じたり、懐かしくも感じましたね。自分で目標を見つけてからのスタートで、また大変なことも出てくるはず。でも、せっかく続けさせてもらえるので、楽しみながら頑張ることが今後はより大事になると思います」

　―メダル獲得によって、来年７月の世界水泳（バルセロナ）は出場内定を得ている。
その先、4年後のリオデジャネイロ五輪はどう考える？
　「今は、自分の考える目標の中にはない。もし競技を続けていて頭の中に入ってくれば、そこに頑張れればいいと思いますが、今はないです」

　―27歳での五輪メダリストは日本女子競泳陣で最年長記録。年齢を感じることは？
　「以前と違いすぎて…（笑い）。やっぱ、高校生とかと一緒にやっていると、まずウオーミングアップでついていけないとか。疲労が蓄積すると体の動きが悪いんです。これは28歳になる前からですけど。アテネ五輪の頃？　毎日、元気モリモリでやってましたよ」

　―日本競泳陣は北島康介（30）、松田丈志（28）らベテラン選手が増えている。
　「最近、先輩と話して共通していたのが『筋肉痛が次の日より、その次の日の方がきつくなる』。私も一緒だな、と思って。昔はレース直後が一番きついと感じていたんですけど、今はそうじゃない」

　―以前と比べて選手寿命が長くなったのはいい傾向では。
　「13、14歳のジュニアの子供たちも、まだ10年以上先も頑張れるとか、そう思ってもらえればうれしい。社会人になっても泳ぎたいという選手もたくさんいると思うので、自分なりに（20代後半でも）できるということを残していきたい」

　―近大2年時、自身が前回出場したアテネ五輪（200mで8位）のことは思い出す？
　「自分の中ではなかったものとしています。今、振り返ってもしようがないので」

　―アテネの結果、さらに出場できなかった北京五輪の悔しさがあったからこそ、メダルの重みを感じるのでは。
　「う～ん。すごく取りたかったはずなのに、取ったら意外に執着心がなかった（笑い）。メダルを取るまでのことが大事で、そのものに対してうれしいと思ったのはもらった瞬間だけでした」

　―メダルは普段、どこにどうしてある？
　「家で飾ることは全くないです。（イベントなどで）『持ってきて』と言われて、『どこにあるかな？　どっかのカバンに入ってるだろう』ぐらいの感じ。いろんな人に触ってもらったりもしますし、首に２個かけるとお互いがこすれて色が落ちたりするので、いつか（変色して）金メダルになればいいなと思ってます（笑い）」

　―来年は1月19日開幕のコナミオープン（西宮）で初レースに臨む予定を立てている。
　「1月の時点でパーフェクトに仕上がっているというわけじゃありませんが、そこでどういうレースができるか。自分でも期待したいです」

◆寺川が五輪後に出演した主なイベント

• ファッションショー　9月8日、「神戸コレクション2012」にシークレットゲストとして出演。白いドレス姿でランウエーを歩き、モデルの蛯原友里らから花束を贈られた。
• 始球式　同15日のオリックス・楽天戦（京セラD）に、五輪マークの5色のグラブを手に登板。初めてボールを握ったというが、山なりでノーバウンドのストライク投球を披露。
• モデル　10月発売のファッション誌「VOGUE　JAPAN」で挑戦。米歌手のレディー・ガガらを手がける写真家、ローレン・デュコフ氏の撮影で、胸元を大胆に開けたコート姿の写真などが掲載された。
• ワイン大使　11月7日、ボルドーワインの魅力を広める親善大使に就任。10月には現地を訪れワイン生産の現場を見学し、ブドウのおいしさに感動したという。
• ヘリで登場　同18日、大阪市内で映画「007　スカイフォール」をPR。ボンドガールに扮し、紫色のドレスでヘリコプターから降り立った。

◆寺川綾（てらかわ・あや）1984年11月12日、大阪市阿倍野区生まれ。28歳。

• 3歳の時、地元のイトマンSSで水泳を始め、近大付高2年だった2001年、世界水泳で注目される。
• 04年アテネ五輪は200m背泳ぎ8位。11年世界水泳の50m背泳ぎで銀メダル。
• 今年は4月の日本選手権100m背泳ぎで59秒10、5月のジャパンオープンは59秒08、7月の五輪は58秒83といずれも自身が持つ日本記録を更新し続けた。174㎝、59キロ。

一度名声を得た選手は、その後の人生について注目され続けることになり、大変ですね。

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